英語の早教育

小学生や幼児が英語教室へ通うのが既に当たり前なっています。わたくしは、中学校で英語を教えた経験がありますが、幼児から英語塾に通っていた子どもたちから、「あれだけ時間をかけたのに、役に立たなかった」という感想をよく聞きました。

日本語教育と英語の早教育が学習の上で相互に干渉しあうという意味だけではなく、ただただ遊びにしかすぎないという意味のレベルででもです。

鳥飼久美子先生など実績のある英語指導者の「英語教育は、中学校からでよい」という考えに耳を傾けたいものです。

高校に国際コースなるものをたくさん設置され、海外留学の話をよく耳にしますが、その成果はいかがなものでしょうか。

40年も前にアメリカで遊び、30年も前にインターナショナルスクールで教え、帰国して英語を教えた者として、わたくしは、英語の早教育にむしろ否定的・懐疑的な意見を持っています。

母国語である日本語から、思考力や論理の能力、読書力の育成が、まず望まれるのです

人間は、国語というその文化遺産である言葉で考え、それに基づいて行動します。その形成が先決であるからです。外国でも、日本でも、外国語の早期教育の弊害による症例が相当の昔から報告されています。

実際、海外にいたときも、英語の教鞭をとっていたときも、英語を幼児から何年も習わせた親から、「こんなはずではなかった」という後悔の言葉を何度も聞きました。普通に、中学から、英語を学校で習い、それだけで、TOEIC満点に近い人や英検1級に合格した人がわたくしの身近にもいるのです。

そうは言いながらも、小学校に英語の学習が始まってしまって、最近は、求めに応じて、小学生に英検の指導をしてきてしまいました。わたくしは、NHKのラジオやテレビでの基礎の英語番組から始めることを、英語を教えはじめたときからずっと薦めてきています。

英語の早教育、それによって、失うものは、決して少なくないと改めて感じてきています。